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兵庫県の職員が、ヤミ金に脅されて、詐欺行為に使われた口座の不正開設に関与したという疑いで逮捕されました。八鹿土木事務所の所長は「事実であれば遺憾であり、申し訳ない。事実確認後、厳正に対処したい」と話したといいます。しかし、これは不祥事でかたづけるべき問題ではないと思います。
■警察の対応について
彼はこうなる以前、ヤミ金に脅されている件を警察に相談しています。しかし警察は取り合わなかったそうです。兵庫県警は「ヤミ金事案に厳正に対処せよ」との内部通達を流していますが、末端の警察官にその意識がなかったんですね。相談されたときにヤミ金に一喝を食らわしていれば、こんなことになっていなかったかも知れません。ヤミ金は警察には弱いんです。
個人情報を明らかにするわけにいかないので伏せますが、やむを得ない事情があって生活が苦しく、そのための対策を始めたところでした(説明を聞いてもらえれば、たいていの人がそれは大変だねえと納得してくれる事情です)。
ヤミ金被害についても弁護士に依頼し、処理は済んでいました。生活をこれから立て直そうとしているところだったのです。いまこの時期にどうして「逮捕」なのでしょうか。
■県の対策について
昨年、熊本県人吉で、脅されて生活保護受給者名簿をヤミ金に交付した市職員が懲戒免職となりました。気の弱い公務員はヤミ金にはカモみたいなものです。
何かのきっかけで小銭を貸し付けたら言葉巧みにつけいって、あっという間に相談をしたりされたりの人間関係をつくってしまいます。友達感覚で浪費を促して金を借りさせ、取り立てを手控えて心配するなと安心させ、ある程度の金額に達したら突然態度を急変させる、あるいはヤミ金担当者自身が上から責められていると泣きつき、返済を迫ります。
そして返済金の代わりに行政情報を買い取って相殺してやると持ちかけたり、今回のように口座を入手したりと、公務員の立場と信用をさまざまに利用するのです。県市民税滞納世帯、国民健康保険料滞納世帯なども彼らがほしがる情報です。
こうした実態に末端消費者相談センター職員は危機感を抱いていますが、意見具申が通りにくいので、上の方がなかなか危機感を共有できない体質に大きな問題があると思います。
■ヤミ金の被害・加害関係について
ホームレスの人は、仕事を紹介するとか、ちょっとしたお金やインスタントラーメンをあげると言われて、住民票を異動させ、勝手に会社の代表者にさせられたり、サラ金から借り入れられたり、携帯電話の契約をさせられたり、時にはマンション購入者の名義にさせられたり、数億円単位の銀行からの借入の名義人にされたりしています。そのうちの一部の人は、捜査の端緒として逮捕され、起訴され犯罪者とされています。彼らに「人権」はありません。なぜなら彼らには「カネ」がないからです。
いま過払い金回収の本流をになっているのは、クレジット・サラ金問題のような金にならない仕事に取り組んで“来なかった”商売上手な司法書士・弁護士の先生です。ヤミ金絡みの事件は扱いません。そういう先生は全国展開してCMを流し、吊り広告を出し、テレビに出演して派手にやっておられます。メディアがもちあげ、人気者になります。
そんなことしてる間にヤミ金の被害者はいまもおどおど、ビクビクしながら暮らしています。こういうことはおかしいのではないでしょうか。