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日本の貧困率 先進国で際立つ
*http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=995028&media_id=2
日本は豊かでも、日本人は貧しいということですね。
貧困率というのは「率」だから、こんなものはあてにならない、日本はそんなに悪い状態じゃないと書いている人がいます。
本当はどうなんだと思って具体的な数字を調べてみました。
(グラフや統計はややこしいので、資料として末尾にまとめました。)
■貧困とは世帯収入18万円以下の家庭
まず「貧困」の意味です。
それは所得中央値の半分以下の所得しか得ていない人だそうです(*資料1)。
統計は個人の所得が対象なんですが、家族・世帯で考えた方がよくわかると思います。一番新しい統計では、世帯の所得中央値は448万円です(*資料2)。その半分といえば224万円。12で割ると186.66……つまり月収18万6600円以下の世帯が貧困家庭ということです(厳密にいうとちょっと違いますが、まあおおまかに言えばそういうことです)。
民間賃貸住宅で家賃をうんと低く見て6万円として、残りが12万3300円。夫婦世帯だと一人当たり6万ちょっと。なんと、これでは生活保護基準以下ですよ! この給料で子育てするのは、結構きついだろうなあ。てか、無理かも。
こういう家庭が増えているんですよね。暮らせるようにするには、安い公営住宅が必要とされていることになります。が、日本は公営住宅の建設を年々減らしています。つまり対策が逆方向を向いています。
■政治が貧困を拡大している国、日本
ここに興味深い資料があります。
働いて得る所得から見た貧困率と、税金・社会保障を含めた貧困率の2つを比較した表です(*資料3)。それによれば、10年ほど前には、日本は働いて得る所得がわりと均等だったんです。フランス,ドイツ、ベルギー、デンマーク、イギリス、アメリカより格差が少ない。
ところが社会保障を含めると、日本はアメリカ以外の国々より貧困率が高くなっていた。つまり、ヨーロッパ諸国は、社会保障によって低所得者を助けていた。ところが日本は社会保障政策がとても弱いので、せっかく民間の努力で均等社会を作っているのに、国が格差を作り出していたのです。
これは貧乏人と金持ちの税金が(ヨーロッパに較べて)あまり変わらず、貧乏人への社会福祉が少ないことを示しています。貧乏人は税金をむしられるだけだったということです。
これは10年前の数字です。(レポートが出されたのは2005年ですが、基礎資料がそれより古いため)。この10年間、民間の賃金格差も米国並みに開いてきました。しかも社会保障は10年前よりも悪くなっている。
ということが何を意味するか、答は明らかです。相対的貧困もさることながら、日本社会が立ち向かわなければならないのは、社会を蝕み不安定化させる、絶対的貧困だということなのです。
*資料1
貧困率の意味(厚労省資料)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/10/dl/h1020-3a-02.pdf
*資料2
厚生労働省:平成20年国民生活基礎調査の概要
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa08/2-2.html
*資料3 OECDレポート(英文)p.29 第24
http://www.oecd.org/dataoecd/48/9/34483698.pdf
<関連日記>
「貧困・格差は個人責任ではない」と主張する政府研究所のレポート