アルジェリア事件 安倍内閣の危機管理は大丈夫なのだろうか

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「日本人出ろ」国籍で選別、先頭車に…人質事件
読売新聞 – 01月26日06:17
*http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2301705&media_id=20&from=diary

見出しに釣られずに記事を読む。

人質は国籍別に車に乗せられたと書いてある。どうやって国籍別に分けたのだ?国籍別に分けられたことを、なぜ他の人質が知っているのだ? それは、ゲリラが「日本人出ろ」とか「フィリピン人出ろ」、「アメリカ人出ろ」と命令して選別したからだと見るのが合理的だ。つまり、日本人だけを特別扱いしたのではない。

記事には情報誘導の匂いがするなあ。

ところで、ニュースについているコメントに
「テロから国民を守るために憲法9条の制約をなくそう」
というのがあるが、ちょっと待った。

被害に合ったのは日本人だけじゃないぞ。他国人も殺されている。9条があろうがなかろうが、ゲリラにはどうでもよいのだ。憲法9条の制約をなくしたらテロに合わないなんてことは、あり得ない。そもそも外国人を狙ったテロで一番被害を出しているのは、世界最大の軍事大国アメリカの市民じゃないか。

自衛隊を救援に差し向けられないのが情けないという意見もあるが、これも見当違いだ。いったい、どこの国がアルジェリアに軍を差し向けたというのだろう。米軍も英軍も動いていない。てか、動けなかった。

当然だ。アルジェリアが狙われた理由は、フランス空軍機の上空通過をアルジェリア政府が許したからだ。それなのに地上軍まで受け入れたらどうなるのか。事件はますます飛び火して、制御不能に陥るではないか。地上軍や自衛隊の派遣などアルジェリア政府が受け入れるはずがないし、各国もそれを分かっているから軍を送らなかった。

そういった状況を見ないで勇ましく吠えている改憲派って、どこまで平和ボケしているんだろう。日本人が多数殺される痛ましい事件さえも改憲論議に利用する根性も腐っていると思う。

で、その犠牲者だが、本当に不可避だったのだろうか。
ペルー公邸人質事件と較べてみよう。

ペルー公使館がゲリラに占拠され、多数の日本人が人質にされたとき、橋本総理は外務大臣に直ちに現地入りを指示した。池田外相が現地に向かったのは事件翌日だった。

アルジェリア事件はどうか。安倍総理は最後まで外相を派遣しなかった。特使を派遣したのはアルジェリア軍が突入した三日後だ。なんだろう、この呑気な危機管理対応は。

ペルー事件のとき、ペルー政府は短時日で強行解決することを考えていたが、外相の説得で強攻策が延期になったそうだ。そのため、特殊部隊は作戦準備の時間を手にいれることができた。トンネルを掘る一方、公邸とそっくりな建物を造って何度もシミュレーションし、秒単位で作戦を練って訓練し、大成功したのだ。

アルジェリア事件で安倍さんは電話で人命優先をお願いしただけだ。まあアルジェリアはペルーと情況が違うから、たとえ外相が飛んでいったとしても、やはり強攻策をとったかも知れない。しかしそのことは、安倍さんが機動的に対処しなかったことの言い訳には、ならない。

外相は強攻作戦のあとも、記者会見で現場が首都から1,000キロも離れているから情報不足だと言い訳していた。

???
アルジェリア大統領は現場にいたのか?
首都で指揮してたんだよ。
現場まで遠いことがアルジェリア大統領に会いに行かなかった言い訳になるのか?
こんな危機管理能力ゼロの人たちが、軍事力頼みの意見ばかり発信するのは、ある意味で恐ろしいことだ。

安倍さんはもっと非難されて然るべきなのに、どのメディアも沈黙しているのは、なぜなんだ? 不思議な時代だなあ。