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韓国哨戒艦・天安沈没事件
首相、北朝鮮を「強く非難」
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■「戦争前夜」にしてはならない
朝鮮半島情勢を「戦争前夜」にしてはならないと思います。金正日は何を求めてこういうことをしたのでしょうか。一つの可能性として、私は中国に対する牽制ではないかと考えます。
国際関係の思惑など危なくて手を出せませんから控えていますが、今日は評論家みたいにちょっと偉そうなことを、これから書きます。
いま中国は国際社会から難しい役割を期待されています。6カ国協議に金正日を復帰させる役割です。たしかにこれは「北朝鮮」に多大の影響力を持つ中国にしかできないことでしょう。中国にできないなら、他の誰にも出来ません。
ところで6カ国協議に復帰して、「北朝鮮」に何のメリットがあるでしょうか。復帰すれば、いずれ核の放棄を迫られるに決まっています。かの国にとって核は安全保障の切り札です。厳しい経済状況の中、血のにじむような資金を投入して開発したのです。それをむざむざと捨てる……そんなことができるでしょうか。
大日本帝国は中国から撤兵することを求められましたが、何万人もの兵の血であがなった占領地を捨てることができないと考え、絶望的な戦いに打って出ました。金正日にそういう選択肢があると考えても、不合理ではありません。ですが、そういう選択を許してはなりません。
■選民国家 朝鮮民主主義人民共和国
ここで彼らの思想を振り返ってみる必要があります。
あの国は革命国家です。革命の完遂(それは永遠の彼方だと見えますが)こそが国家のアイデンティティです。人類の先頭を切って輝かしい革命をやり遂げようというスローガンの下に、国民は食うや食わずの生活に耐えてきました。
革命の目標のひとつに「自主の国」があります。彼らの世界観にもとづけば、いまの世界は強大で邪悪な帝国主義国が牛耳っていることになっています。これと果敢に戦っている唯一の国が、祖国朝鮮民主主義人民共和国です。帝国主義の支配のもとで豚のように太るよりも、帝国主義と戦って飢えた方がましだというのです。
まあ、これは国のイデオロギーであって、国民は別の考えかも知れないとの見方もあるでしょうが、そう甘く見てはいけないんじゃないかと私は思います。
革命の民族という彼らの自己認識は、一種の選民思想ですからね。これは強い。大日本帝国臣民が「神の国」という選民思想にころりといかれて、その壮大なウソにためらわずに命を投げ出した歴史をみれば、選民思想のやっかいなことがわかります。
■革命に生きる死生観について
彼らの思想では、人間の生命には2種類あるそうです。
生物的生命と政治的生命です。
生物的生命は犬猫でも持っていますが、政治的生命は人間だけが持っているものであって、これこそ人間の本質です。政治的生命を失えば、生きていても死んでいるのと同じです。反対に、生物的生命を失っても、革命が続く限り政治的生命は永遠なんです。
非人間的で邪悪な帝国主義と戦う生き方こそが、最も人間的な生き方であり、正しい生き方であり、名誉ある生き方であり、誇りある生き方であり、朝鮮民族はすべからくそのように生き、かつ死なねばならないのです。帝国主義にに打ち勝たなければ、生きている意味がないのです。命を惜しんで信念を捨てるのは、人間が犬畜生になることなのです。
この考え方も、「悠久の大義に生きよ」と命ぜられて特攻に赴いた我が民族の歴史を顧みれば、わからないでもありません。
さて、核もミサイルも「帝国主義の包囲に打ち勝って自主開発した革命の成果」です。これこそが革命の目的でもあり、自主思想の正しさの証明であり、これはとりもなおさず朝鮮労働党の指導の正しさの証しであり、党の権威と権力の正当性の根拠であり、国と国民の誇りであり、自信と希望の拠り所です。
核の放棄は帝国主義国への屈服を意味します。それは彼らに死ねと言うに等しい要求なのです。米国が空母機動艦隊を捨てよと迫られるようなものです。飲める要求ではないと考えていることでしょう。
■瀬戸際に立つ「北朝鮮」
中国としては、金正日の決定的離反を招かずに中国の影響下につなぎ止めつつ、6カ国協議に復帰させたい。成功すれば、中国は押しも押されぬ大国としての地位を築くことができるでしょう。失敗は許されません。
しかし金正日にとってみれば、中国の成功は朝鮮の死に等しい。かといって中国の援助が途絶えれば、それも国家の自滅につながります。いま、朝鮮民主主義人民共和国は、国家と革命が生きるか死ぬかの瀬戸際に追い込まれています。
■彼らの現状認識と決意
あなたが金正日なら、こう考えないでしょうか。
6カ国協議に復帰しろとか中国はあれこれ指図するが、何様のつもりなのか。我が共和国は中国の属国ではない。誇り高き自主の国なのだ。
中国は帝国主義者どものお先棒を担いで、革命の兄弟を見捨てようというのか。それは中国共産党の未来を閉ざす道であるのに、どうして気付かないのか。栄光の中国共産党は、いつから腰抜けになったのだ。金に目がくらんで戦いを忘れたのか。中国が革命を忘れて好きなだけ金儲けができるのは、誰のおかげだと思っているのか。帝国主義の侵略に抗して我々がここで頑張っているからではないか。
わが国がなくなれば、中国は帝国主義と陸続きで直面することになる。それでよいのか。よくないと言うのなら、我々が戦争すれば、中国はいやでも巻き込まれる立場であることを思うべきであろう。いざとなれば、我々と一緒に帝国主義と戦うしかない立場なのだ。その現実を忘れてしまったのなら、思い出させてやろう。我々は口先ばかりの男ではないぞ。
小さな軍事衝突ぐらいで南も米国も攻めては来るまいが、来るなら来るがいい、相手になってやろう。開戦となれば、国境線沿いの地下基地からたちまち無数のミサイル、砲弾がソウルめがけて飛んでいくだろう。韓国は火の海となるだろう。
たかが哨戒艇一隻と韓国民百万人が心中するつもりなら、来い。わが祖国をその薄汚い軍靴で踏み荒らすつもりなら、覚悟しろ。死を恐れぬ人民の力を思い知らせてやる。血の海にたたき込んでやるから、いつでも来い! 我々が生きるために、帝国主義者は死なねばならないのだ。
■戦争できない現実
こうじゃないかも知れませんが、彼らの思いこみの部分は正しいと思います。ここまで思いこんでいる相手に、何ができるでしょうか。外からの力ではどうにもならないと思います。
戦争してたたきつぶせという勇ましい意見もありますが、最初の30分間の第一撃で数千発のミサイル、砲弾(しかも化学兵器です)を打ち込んでくる能力を持つ相手に、どうやって戦争ができるでしょうか。
それでも、犠牲を厭わずに戦争したとしましょう。おそらく韓国側が勝つでしょう。勝ちはしますが、数十万人、数百万人の命と引き替えにして、勝った後に何が得られるのでしょう。飢えきって病み疲れた二千万人の失業者(しかも不信に凝り固まって統治しにくい)と、荒廃した国土、そして朝鮮労働党残党の強靱なゲリラです。
そんなものをしょわされたら、韓国も日本も共倒れするに決まっています。戦争なんかできっこないのです。それが分かっているから、金正日は瀬戸際の挑発ができるのです。
■何も与えない
対策として私が考えつくのは、たったひとつ。
何も与えない。
譲歩も与えない、戦略物資も与えない、貿易機会も与えない。
資金移動を許さず、技術移転も許さず、鉄、アルミ、石油、石炭、兵器を与えない。
ただし民生援助だけは必要だと思います。
食料で兵器は作れませんから。
金正日体制が続くかどうかは、どうでもよいことです。
戦争できる体力がなくれば、それでいい。
あとのことは、賢明な朝鮮人民が考えるでしょう。
■重要な追記
この投稿の翌日、考えを改めて下記を投稿した。
「天安事件の平和的解決」