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マイミクのはなゆーさんとこからいただいた情報です。
自衛隊の武器使用、どこまで ヒゲの隊長・佐藤正久さんに聞く
 (毎日新聞・特集ワイド)
 *http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070905dde012040002000c.html
 「イラクに限らず、カンボジアでもどこでも、武器を使えばそれが正当防衛だったかどうかを裁かれることになる。それを多くの国民はわかってくれていないんです」
私が思うに、行かなければ良い。それだけのことだ。危険地帯に行く自衛官に、武器を使うなというのが無茶だ。戦闘してはいけない自衛隊を、戦闘地域に派遣した命令権者が一番悪い。
自衛官はどこであれ命令されれば行くしかない。命令したやつは高イビキで寝てればいいが、自衛官はその時、命の危険にさらされている。命令する奴は国費をちょろまかして蓄財しているが、国民は戦費のために税金を納めねばならない。
こんな漢詩を思い出した。
「兵車行」杜甫
 志願制と徴兵制のちがいはあるが、悲しみの質に違いはない。
 最初に原文と読みを。あとに意訳をつけます。
「兵車行」杜甫
<原文と読み>
 車燐燐 馬蕭蕭(くるまりんりん うましょうしょう)
 行人弓箭各在腰(こうにんのきゅうせん おのおの こしにあり)
 耶嬢妻子走相送(やじょうさいし はしりて あいおくり)
 塵埃不見咸陽橋(じんあいに みえず かんようきょう)
 牽衣頓足塞道哭(ころもをひき あしをとんし みちをふさいでなけば)
 哭聲直上干雲霄(こくせいただちにのぼって うんしょうをおかす)
<意訳>
 兵車は響き 馬はいななく
 兵士の弓矢は おのおの腰にあり
 父母と妻子 走り追いて兵士を見送る
 巻き立つ土煙は 咸陽の橋をかくすほど
 上着にすがり足をひきずり 道をふさいで慟哭すれば
 泣き声高く上りて 雲を突き抜ける
<原文と読み>
 道旁過者問行人(どうぼうにすぐるもの こうにんに とえば)
 行人但云點行頻(こうにん ただいう かんてんしきりなりと)
 或從十五北防河(あるいは15より きた かわをふせぎ)
 便至四十西營田(すなわち40にいたるも にし でんをいとなむ)
 去時里正與裏頭(ゆくとき りせい ためにこうべをつつみ)
 歸來頭白還戍邊(きらい こうべしろくして また へんをまもる)
 邊庭流血成海水(へんていのりゅうけつ かいすいをなすも)
 武皇開邊意未已(ぶこう かいへんの い いまだやまず)
<意訳>
 人 兵士に尋ねれば
 兵士はただ言う、「徴兵の命令がひんぱんなのだ」と
 あるいは十五歳で北の黄河防衛につき
 四十歳になるも いまだ西方で屯田兵を続ける
 出征には村長が元服を祝ったのに
 帰れば頭は白くなり しかもまた国境の守備に行く
 国境は流血で血の海となるも
 武帝(玄宗皇帝)の征服欲は衰えず
<原文と読み>
 君不聞漢家山東二百州(きみ きかずや かんけさんとうの 二百しゅう)
 千邨萬落生荊杞(せんとんばんらく けいきをしょうずるを)
 喩有健婦把鋤犁(たとい けんぷの じょうりとるあるも)
 禾生隴畝無東西(いねは ろうほにしょうじて とうざいなし)
 況復秦兵耐苦戰(いわんやまた しんぺいの くせんにたえるとて)
 被驅不異犬與鷄(からるること いぬ とりに ことならず)
<意訳>
 知らないか 漢の山東二百州は
 千村 万村 雑草が生い茂るばかり
 たとえ健気な嫁が すき・くわをふるっても
 稲はあちこちに 乱れ生えて おさまらない
 それでも陜西地方の兵士は苦戦に耐えると言い
 犬や鶏のように 戦地に追い立てられるのだ
<原文と読み>
 長者雖有問(ちょうじゃ とうありといえども)
 役夫敢伸恨(えきふ あえてうらみをのべんや)
 且如今年多(かつ ことしのふゆのごときは)
 未休關西卒(いまだ かんせいのそつ やすまざるに)
 縣官急索租(けんかん きゅうに そをもとむる)
 租税從何出(そぜい いずこよりいでん)
<意訳>
 あなたは 聞くが
 何を言うことがあろうか
 ことに今年の冬のごときは
 西域の兵士が帰休もしていないのに
 役人は税を求める
 どこから税が出るものか
<原文と読み>
 信知生男惡(まことにしる おとこをうむはあしく)
 反知生女好(かえりてしる おみなをうむはよしと)
 生女猶得嫁比鄰(しょうじょは なお ひりんにかするをうるも)
 生男埋沒隨百草(しょうなんは まいぼつして ひゃくそうにしたがう)
 君不見青海頭(きみみずや せいかいのほとり)
 古來白骨無人收(こらい はっこつ おさむるひとなく)
 新鬼煩冤舊鬼哭(しんき はんめんし きゅうきは こくす)
 天陰雨濕聲啾啾(てんくもり あめうるおえば こえしゅうしゅうたる)
<意訳>
 まことに知った 男を生むのはだめだ
 いっそ女を生むのがよい
 女なら近所に嫁ぐこともあるが
 男なら戦場に埋もれて雑草に朽ち果てるだけ
 見るがよい、青海のほとりを
 久しく白骨をとむらう者もなく
 新しい亡霊はもだえ怨み
 古い死霊は泣き叫ぶ
 天暗く雨がそぼ降れば むせび泣く声が悲しい