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菅首相の退陣論、与野党で拡大
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地方自治体の復興事業に対し、国が95%以上の資金負担を決めた。大英断だと思う。
そう言えば、菅さんは他にも大きな決断をすばやく下している。
10万人の自衛隊の大規模投入。
自衛隊予備役召集。
計画停電。
ひとつひとつが、平時では考えられない規模の、前代未聞の出来事だ。
こんなに短期間につぎつぎと決断を下すなんて、その重圧はすごいものだったと思う。
評判の悪い大規模避難だって、こんなに大人数の大移動なんて誰も経験がないのに、大きな混乱もなく実施できたのはすごい。
誰が担当しているのか知らないが、ロジスティクスの腕前が見事だ。地方自治体や政府部内の関係者の人数はものすごいだろうし、みんな物資の取り合いだろうし。権限や役割分担を巡ってお役所同士の確執もすごかろう。それなのに、事前の計画も訓練もなかったのにどうにかさばいている手腕は評価しなければならないだろう。
菅政権には厳しい意見ばかりが出されているが、こうしてみると、案外やり手なんじゃなかろうか。震災予算を確保するために子ども手当を廃止するというのも、これだってなかなか決断できるものではない。担当大臣ひとりでどうにかなるものではないだろう。やはり菅さんが絡んでいると見て間違いなかろう。
厚生労働省の動きもなかなか細かくてすばやい。被災者の生活面でいえば、生活保護を大胆に活用するように地方自治体に指示を下ろしているし、それに必要な予算の裏付けもすばやく自治体に与えた。仕事場が壊滅してしまい、当面は働き場所のない現地に派遣会社を呼び入れて、就職のマッチングもしている。震災を理由にした解雇や雇い止めが始まったと言えば、休業補償制度などを利用して雇用を継続するよう、事業主に呼びかけている。そのことを全国の労働基準監督署やハローワークに通知し、同時に経済団体に申し入れをしている。これは菅総理肝いりの、『「日本はひとつ」しごとプロジェクト』で打ち出された方針の具体化だ。これまで、どの政府が派遣労働者の境遇にまで目を配ったことがあるだろうか。
メディアはこんな記事をちっとも書かないが、こうした仕事の数々を、原発事故対策と同時並行で進めているのだ。大したものではないか。
原発事故では、たしかに色々と批判もあろう。しかし逃げ腰の東京電力を叱りつけて復旧作業に踏みとどまらせた菅総理の決断がなかったら、もっとひどいことになっていたかも知れない。
私は民主党なんて第2自民党だと思って評価していない。まあ、日本のためのカンフル剤にはなろうかと考えて、政権交代は支持した。安保政策にしろ、基地問題にしろ、菅さんの立場とは水と油だ。
しかし、それはそれ、これはこれ。ここまでの震災対策については、大したものだと思っておおいに評価している。
だが、巨大な予算が動く時には、欲深い連中がうごめくはずだ。被災者のための予算がいつのまにか巨大プロジェクト予算にすりかえられて、カネの行き先は結局ゼネコンだったというのが、阪神大震災のときの兵庫県民の教訓だ。そうならないように国民的監視が必要だろう。そのためには、厳しい批判も必要だろう。だがその批判は、復興に向けた前向きの批判であらねばなるまい。ただの足引っ張りには、与したくないものだ。
一番に監視が必要なのは、自民党のタヌキどもだ。奴らが政権批判を強めているのは、次期政権で復興予算をかっさらい、巨額のバックマージンを自分のフトコロに環流させたいからに違いない。そんなことばっかりやってきたのが、自民党だ。そうはイカの○ンタマ。
被災者のためにも、ここは菅政権にふんばってもらい、実績をつくってほしいと願っている