[光市母子殺害事件]橋下弁護士問題 再論

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この日記は、ブログ『弁護士のため息』の以下のメッセージにより、掲載させて戴きました。今枝弁護士のお話は転載OKです。ご本人の了解を得ています。

弁護団の一人である今枝弁護士から直接発信された情報として、できるだけ多くの方にお読み頂きたいと思います。

原文はここ↓
http://t-m-lawyer.cocolog-nifty.com/blog/

今枝仁弁護士(光市事件弁護団の一人、橋下弁護士提訴の原告の一人)の話

ここでの議論はかなり有意義と思いますので投稿します。

昨日橋下弁護士に訴訟を提起した原告の今枝です。

光市弁護団は、全員が死刑廃止論者ではありません。私は元検察官ですし、現行法を前提に弁護活動をなすのが正当と思ってます。弁護団の中には死刑廃止論者が何人かいるようですが、そのような議論は弁護団の活動の中でなされていません。もちろん、弁護活動に死刑廃止運動のために事件を利用しようという意図もありません。誰が言い始めたのか、そういうレッテルを世間が鵜呑みにしただけです。

弁護団は(というより他の人の思いは分からないので少なくとも私は)、今までなされた事実認定に疑問を持ち、真相をより解明し適正な量刑を果たされるために弁護活動をしています。

現在の被告人の発言は、弁護人が指示したり教唆したものではありません。被告人は旧1・2審では、訴訟記録の差し入れもしてもらっていなかったので、記憶喚起も曖昧であり、検察官の主張に違和感を唱えても弁護人に「下手に争って死刑のリスクを高めるより、反省の情を示し無期懲役を確実にする方が得策」と示唆を受けたと述べます。最高裁段階で証拠の差し入れを受け、記憶が整理され、今の主張に至っています(*注)。

また、家裁での調査記録に
「戸別訪問は孤独感が背景」
「予想外に部屋に入れられ不安が増大した」
「被害者に実母を投影している」
「退行した精神状態で進展している」
「死者が生き返るとの原始的恐怖心に突き動かされている」
「発達程度は4、5歳レベル」

などと書かれています。いずれも今までの認定と矛盾し、今の主張と整合しています。

また家裁記録には「劇画化して認識することで自己防御する」とあります。そうすると「ドラえもんが」や「魔界転生」等も、そういう被告人の性癖が露呈されただけとも言えます。

さらに1審の被告人質問では殺意を否認する供述をし、強姦の計画性は刑事や検事に押しつけられた、と否認しています。現在の供述の片鱗は、すでに随所に現れていたと言えます。

なお被告人質問は1審で2回、2審で4回ほど行われていますが、犯行態様について聞かれたのはわずか20~30分間、全体の10分の1以下の時間に過ぎません。

*注(どろ)
被告人には判決文が渡されないし、自分の調書を読むこともできません。読むためには誰かに頼んで有料でコピーしてもらわなければなりません。日本の制度は被害者のみならず、被告人の権利も保障していないと思います。

ここを訪問してくださった方には冒頭にはりつけたブログで続きを読んでいただきたいと思います。