福島第一原発の放出した放射能の途方もない量

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半年も前になりますが、福島原発事故で放出した放射性物質の推定量を、東電が発表しています。

東北地方太平洋沖地震の影響による福島第一原子力発電所の事故に伴う大気および海洋への放射性物質の放出量の推定について
(平成24年5月現在における評価)
平成24年5月24日
東京電力株式会社
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2012/1204619_1834.html

どのような規模の事故であったのか、改めて確認しておくために、メモしておきます。

■大気への放射性物質の放出

希ガス約500×10の15乗ベクレル
ヨウ素131約500×10の15乗ベクレル
セシウム134約10×10の15乗ベクレル
セシウム137約10×10の15乗ベクレル

■海洋への放射性物質の放出量

ヨウ素131約11×10の15乗ベクレル
セシウム134約3.5×10の15乗ベクレル
セシウム137約3.6×10の15乗ベクレル

大気中に、希ガスが、500×10の15乗ベクレル放出されたそうです。ヨウ素の放出も同量でした。

これって、どれくらいの量でしょうか。
10の15乗とは、1000京のことです。
1京とは1億の1万倍です。
つまり500×10の15乗とは、5億の10億倍にあたるという、途方もない量なのです。

セシウム134は約10×10の15乗ベクレル放出です。
ヨウ素の50分の1、つまり2%です。1億の1億倍です。
セシウム137も同じく1億の1億倍ベクレルでした。

わけわからん量ですが、なにせそれほどの、とんでもない大事故だったわけです。
近隣の土壌汚染が深刻なのも道理です。

大気中だけではなく、海洋への放出もありましたが、約50分の1として考えればよいでしょう。

大気中への放出のせいで、半径20km圏に住んでいた16万人もの人は、いまだに自宅に帰ることができません。立ち入ることすら禁じられています。

海洋汚染のせいで、福島沖は禁漁です。長い間、魚を獲るのは無理でしょう。

津波被害だけでも大変なのに、起きなくてもよい人災である原発被害で生活を根こそぎ破壊されてしまった人々は、一体どれほどにのぼるでしょうか。

しかし、これでもチェルノブイリ事故に比べれば数分の1ないしは10分の1の規模です。

そして幸いなことに、人体の汚染は千分の1程度に留まっています。ベラルーシではいまだに、なんの遮蔽もしないホールボディカウンター(HBC:内部被曝を計測する装置)を使って、体内のセシウムが検出できるそうです。福島では、何トンもの遮蔽装置の中で計測して、ようやく計れる程度の被曝に留まっています。

チェルノブイリの教訓を生かして、ただちに食品規制を敷いたこと、土壌汚染が作物に移行しないように農協や農業研究所の指導で対策をとったこと、などが功を奏したことになります。(この努力は並大抵ではありません。指導をないがしろにして今まで通りの米作りをした農家は、このあいだ基準値超えの米を作って、出荷停止になってしまいました。)

そこにかすかですが、希望がかいま見えます。その希望をもっと確かなものにするため、原発依存から一日も早く脱却し、原発事故も放射能汚染の恐れもない日本にしたいと思います。できるんかなあ……。

■東電の上記発表資料から(一部抜粋)

大気への放射性物質の放出量については、評価期間を平成23年3月12日から同年3月31日として評価を行い、その結果、希ガスで約5×1017ベクレル、ヨウ素131で約5×1017ベクレル、セシウム134で約1×1016ベクレル、セシウム137で約1×1016ベクレルと推定しました。

同年4月以降の大気への放射性物質の放出量については、評価の結果、3月中の放出量に対する割合が1%未満と大変低く、総体として数値への影響がないことから、今回お知らせした放射性物質の放出量には含めておりません。

また、海洋への放射性物質の放出量については、評価期間を平成23年3月26日から同年9月30日として評価を行い、その結果、ヨウ素131で約1.1×1016ベクレル、セシウム134で約3.5×1015ベクレル、セシウム137で約3.6×1015ベクレルと推定しました。