これが憲法第9条の現実力だ

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フィリピン政府とモロ民族解放戦線(MILF)の内戦は、停戦したといっても一触即発の状態だ。

「父も兄も戦士だ。7歳の息子も戦士になりたいと言い、そうさせるつもりだ」と武装勢力の青年兵士が語る。治安部隊に家を焼かれ、親戚を殺された男性は、それをきっかけにゲリラになった。

このような地域に、珍しくも日本政府が和平の手を差し伸べているそうだ。

国際協力機構(JICA)が国際停戦監視団に要員を派遣している。JICAはゲリラの影響下にある地域に学校や灌漑施設を作っている。丸腰でゲリラ地域に入り、インフラ工事ができるのは、日本だけではあるまいか。

「ゲリラ地域を豊かにすること、それはゲリラの後押しをすることだ」という政府側強硬派を、武力を背景にしないで抑制する影響力を持っているのは、日本政府だけだろう。(朝鮮学校の生徒に補助金を支給するのは北朝鮮を利する行為だと言っているのが同じ政府だとは信じられないほどだ。)政府は、フィリピン政府とゲリラ双方の代表を日本に招き、交渉を仲介している。(どうしてこれを隣国とできないのだろうか。)

ゲリラ側の交渉担当幹部ラシッドさんは2007年に訪日、広島も訪問した。昨年生まれた娘に「ヘイセイ(平成)」と名付けたという。「日本で人々が平和を大切にしている気持ちを知り、私たちの所にも早く平和が訪れて欲しいと思ったから。」

写真:2012年4月2日朝日新聞夕刊「平和を探して ミンダナオ紛争と日本」より)

橋下(徹)さん、よくご覧なさい、これが憲法第9条の力だ。あなたは「憲法第9条は、困っている人がいても自分さえよければいいという思想を広げ、自分勝手で卑怯な人間を作った」と言った。

まったく間違っている!

あなたがどれほど現実に目をふさいでも、詭弁をろうして価値をおとしめようとしても、憲法第9条はこんなにも希望を運んでいるのだ。「憲法第9条のあるような国に住みたくない」とまで、あなたは吐き捨てた。橋下さんがその言葉通りにするなら、私はあえて止めはしない。

「北朝鮮」は難しい国かも知れない。しかし憲法第9条の力を信じ、憲法第9条をほんとうに実現する意思が政府にあれば、ミンダナオに起きている奇跡を東アジアでも起こせるのではあるまいか。

<ご注意>

この日記にツッコミを入れてやろうと思った方、以下を読んでからにしてね。

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