鳩山さん、すべてはあなたにかかっている

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北沢防衛相は国民ではなく米国と防衛省の味方
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鳩山さん

お願いがあります。言葉に気をつけてください。あなたが語るとき、それは日本が語っていることになる。ここを忘れないでください。

大切なことは、自分が何をいうかではなく、相手がどうとらえるかなんです。どれほどいいことを言っていると主観的に思っても、相手がそのメッセージを真っ直ぐに受け取ってくれる保障はありませんから。

普天間飛行場の移設問題について、あなたは言いました。「いずれ私が判断する」と。あなたは、自分が決断できる首相であると言いたかったのかも知れません。それはいいことです。

けれども、「いずれ」と言ったのでは、それは「今は判断しない」という意味になります。時期を明示しないでそう語ると、「問題解決にそれほど情熱を持っていない」と受け取られる恐れがあるのです。そのうえ政権内ではいろんな閣僚が好き勝手なことをいっている。

この現状は、米国の姿勢にどのように影響するでしょうか。

あなたは迷っているのだと思います。何とかしたいけれども、いいプランがないから。県外移設といっても、日本国内のどこにもそんな場所がないのは誰にも分かっています。国外移設といっても米国が応じないのも、みんな分かっています。かと言って現状維持もできないことも、みんな分かっています。

あれもできない、これもダメ。だから決断できない事情は分かります。でも、だからといって何もしないわけには行かない。そういう煩悶が見えれば、米国も別の反応をするかも知れませんが、「あまりやる気がない」と見られれば、強気の交渉で圧されるに決まっています。

そのときに米国に反発しても、もう遅いんです。相手だって日本の無理押しに負けた格好にはしたくないんです。強気に出れば、もう引っ込めないんです。そこでずるずると現状に引きずられて、結局辺野古に決定というのでは、何のためにあなたに政権を任せたのか分からなくなります。

そしてしかも米国は、またひとつの教訓を得るのです。対日本交渉は、強気にでればうまくいく。これまではそれでうまくやれた。今度もそうだった。ではこれからもそうしよう……。

いいんですか、それで。

さてここで考えてみましょう。

グァムに大規模な移転ができるでしょうか。いいえ、そこは狭すぎて無理です。硫黄島はどうですか。ダメですね、遠すぎるし修理工場もないし、休養施設もありません。

米国にとっての辺野古や嘉手納の利点はなんですか。基地が集中している。民間の修理工場などバックアップ能力が高い。補給が容易である。台湾に近い。こんな場所をおいそれと手放すわけにいかないじゃないですか。

では安保を破棄して米軍に出ていってもらいますか。民主党にその選択肢はないでしょう。それをすると政権がもちません。

さて、ところで、ですが。このたび、沖縄駐留米海兵隊の外交政策部長に、ロバート・エルドリッジ氏が就任しました。氏は辺野古案に反対しています。そして駐留軍の大幅削減を提案している人でもあります。こういう人を基地問題担当の外交政策部長に選んだ。それもわざわざ民間から招聘したのです。これは米国のメッセージだろうし、鳩山さんへのプレゼントかも知れません。どんな交渉をしようと考えているのかは不明ですが、鳩山さん、外交メッセージというのは、そういうふうに示すものです。

何十年も先にアジア平和共同体は実現するかも知れません。しかし沖縄の基地問題は、明日の問題です。「いずれ」では困るのです。しっかりとした舵取りをお願いしますよ。

<参考>
エルドリッジ・プラン
http://www2.osipp.osaka-u.ac.jp/~eldridge/Articles/2005/Special%20Recomendation%20Japanese%20version.pdf