転ばぬ先の杖 尖閣諸島問題

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■尖閣諸島周辺「領海侵入問題」は平行線…日中首脳会談
読売新聞 2008/12/15 20:16
*http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=695458&media_id=20

中国側の対応は度を越しています。
他にはこんな情報もあります。

10日付の中国紙、新京報によると、中国の国家海洋局海監総隊の孫書賢副隊長は、尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近での海洋調査活動について「この海域の管轄を強化する」と述べ、今後活発化させる考えを明らかにした。

副隊長は、領有権の争いがある海域では国際法上「実効支配」の実績が重要だとの認識を示した上で「中国も(主張するだけでなく)管轄海域内で存在感を示し、有効な管轄を実現しなければならない」と語った。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/081210/chn0812101257003-n1.htm

不穏当な発言です。日本が実効支配している海域内で「存在感を示し、有効な管轄を実現」するには、日本の支配を実力で排除しなければなりません。これは日本と一戦交えるということです。それだけの決意があっての発言でしょうか。

こんな発言もあります。

中国外務省の劉建超報道局長は9日の定例記者会見で、中国の海洋調査船が尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近の日本領海に侵入したことについて「調査船をいつ再派遣するかは中国側の事情だ」と指摘、今後も調査船の派遣を中止する考えがないことを示唆した。

劉局長は、尖閣諸島が古くから中国固有の領土だとの主張を繰り返した上で「中国が主権を有する海域で正常に航行して、何が挑発と言えるのか」と指摘。13日の日中韓首脳会談などには影響しないと強調した。

http://mainichi.jp/select/world/news/20081210k0000m030080000c.html

とんでもない発言です。「尖閣諸島が古くから中国固有の領土だ」と言うのは中国側だけの認識であって、他国がそう認識していないことは劉局長も承知しているはずです。それなのに一方的な言い分で他国の海域に侵入するのが挑発でないなどという主張は、世界のどこに出ても通用しません。

日本には田母神さんのように「大東亜戦争は侵略戦争ではない、アジア解放の戦争だった」などと戦争の実態を無視した一方的なことを唱える人がいます。中国は中国で勝手なことを言い、行動しています。こんな両国関係が続けば、いつか本当に武力衝突に至りかねません。

いまは中国も武力衝突などは望んでいないと思います。しかし挑発を看過して既成事実の積み上げを許せば、後で取り返しのつかないことになるかも知れません。歴史はそういう教訓に満ちています。まだ火の手が上がらないうちに、日本としては領海に指一本触れさせない決意を断固として表明し、監視体制を強化し、抑止力を発揮すべきです。

同時に外交ルートを通じて日本の対策を中国側に逐一伝え、誤解や偶発で武力衝突を引き起こさない努力もすべきです。さらに国際社会に対しても同様の情報を発信し、万が一の時に中国側に非があることが一目瞭然になるような措置を講じておくべきだと思います。だめ押しとして、田母神さんのような歴史観を政府としては断じて容認しないことを示すのが良いと思います。

硬軟両方の手立てで平和のメッセージを送り、再び日中間に争いが起きないよう、万全の対応を政府に求めたいと思います。それが戦争を防ぐ賢明なやり方です。

さて、こういう事態を前にして改めて考えるべき事があります。大小の利害対立が存在する以上、善意ばかりで外交ができないということです。日本がいくら平和を望んでも、力の信奉者に対してはその哲学が通用しません。非武装中立や絶対平和主義は理想ですが、現代世界が直ちにその理想を具現化できる環境かどうか。平和運動にたずさわるひとびとには、この点をよく考えて頂きたいと思います。

<参考>
憲法と自衛隊1 自衛隊合憲論

■憲法第9条1項 自衛隊はその装備から評価すれば、いまやアジアで最も精強な部隊といえます。しかしもっぱら守りに徹して、攻めていかない戦略をとっており、これを専守防衛と名付けています。この戦略を肯定すれば、自衛隊は小規模かつ精強な組織であることが望ましい。...

憲法と自衛隊2 改憲論を批判する-自衛隊合憲か論の立場から

「憲法はアメリカから押し付けられたものだ。」 「日本が自分自身で一から憲法を作るべきだ。」 この意見、改憲派の間では、なかなか人気があるらしいです。しかしこういうことを居酒屋でオヤジがつぶやいているのは勝手ですが、公的な場所で持ち出すのは不適切だと...