ゼニの亡者どもとの戦いは人知れず続く

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この日記、はじめは難しいけど、途中からやさしい解説になります。

1月12日、「武富士・日栄債権取立対策会議」が、発足しました。メンバーはこれまで数々のサラ金・商工ローンの悪徳と闘ってきた弁護士、司法書士です。

商工ローンのロプロ(旧日栄)とサラ金の武富士は、顧客から莫大な利益を収奪したあげく、自ら倒産しました。倒産したら財産をすべて投げ出して債権者に公平に配当するのが本来のあり方ですが、彼らはそのようにしませんでした。きちんと回収をすれば出来る未回収の貸付金(これは財産です)があったのに、その債権を不良債権扱いにして、二束三文で彼らのお仲間にたたき売ってしまった。

そこで、ロプロは3%、武富士は3.3%の過払金を配当したのみで、それ以外の過払いを踏み倒してしまいました。

貸付債権を買って2つの会社を引き継いだのは「日本保証」(ネオライングループ)。

この会社は、いったんなくなったはずの財産(未回収の貸付金)を復活させ、いま元利金1円もまけないという過酷な取り立てをしています。しかも、かたはしから裁判を起こして、時効になった債権や破産・免責債権まで取り立てを進めています。

こんなバカな話があるものでしょうか。

これをわかりやすく説明すると、こうなります。

ドロボーがあなたから1000万円をふんだくった。ドロボーはそいつを元手にサラ金会社を始めて、500万円を客に貸し付けた。残りの500万円を自分の役員報酬として受け取り、家族に渡した。そして会社を倒産させた。

あなたはドロボーに金を返せと迫ったが、そいつの手元には一銭も残っていない。盗んだカネでも役員報酬に化ければ合法的なカネになるから、家族から回収することもできない。会社にも現金は残っていない。

客に貸し付けた500万円が会社の財産ということになるが、会社の管財人はその取立権(債権)を25万円でドロボーの友達に売りつけた。そして自分の報酬を差し引いて、あなたの手元には15万円しか戻ってこなかった。

3年たって、ドロボーの友達は、25万円で買った取立権をつかって、3年分の利息・損害金をつけて800万円を取り立てるというおいしい商売している。

許せますか? 人間社会の常識としておかしいじゃないですか。しかしこれを巧妙にやれば、日本の法律では合法になり、どうにもできないのです。

ドロボーの友達というのが、日本保証という会社です。この日本保証を殲滅するための戦いが、たったいま、はじまったのです。法律ヤクザと正義の法律家が、法律を武器にして、これから猛烈に過酷な戦いを繰り広げることでしょう。

債権法(民法)、貸金業法、出資法、利息制限法、倒産法、再生法、株式会社法などを紙の裏まで見通すような読み方をしないと勝てない戦いです。儲けはほとんどありません。それどころかカネがかかるし、手間もかかります。

橋下徹なんかには絶対にできない仕事ですが、誰かがしてくれないとこの世は闇になる、そんな戦いです。そんな戦いの現場に、会費まで支払って全国から優秀な弁護士や司法書士がはせ参じています。橋下がクソ弁護士と罵倒する相手が、その人たちです。

橋下の言うことは取り上げるのに、その人たちの言うことすることをメディアは取り上げません。しかしわたしはここに、法律家の良心を見ます。がんばれ、正義の法律家たち!と声を大にして言いたい。

何かエポックメーキングなことがあれば、また日記を書くでしょうが、まあ地味で複雑でおもしろみに欠ける戦いなので、しばらくの間、あまり注目されるような戦果は出てこないと思います。でも、日本のどこかで今日もそういった戦いに邁進している法律家がたくさんいるってことを、心のどこかにとどめておいてくだされば嬉しいです。