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■大国は無理矢理な理屈で戦争をはじめる
「わしに無断で飛行場を作りやがった」という理由でグレナダに軍事侵攻したのはアメリカだ。
新しい政権が気にいらないと言ってソ連はアフガンを侵略し、アメリカはチリ政権をつぶした。
生意気だからこらしめるという理由でベトナムに攻めこんだのは中国。
れっきとした独立国に対して、昔そこはわしの国だった。お前がいるのが間違いだと言って、フセインはクウェートに侵攻したのだ。
侵略戦争に至らなくても、自国権益の拡大は、どの国もねらっている。中国なんてはるか南方、フィリピン近海の島々を、沿海領域だと無茶を言って実効支配している。そこが沿海だという根拠は、明の時代に中国の貿易船がそこらを通った記録があるからだそうだ。
もちろん中小国も、自分より弱い国や地域をいじめ倒している。
残念だがそれが国際社会なのだ。
力の強いやつが肩で風切ってまかり通るのだ。
だからアメリカが世界中で戦争していても、誰も止められないのだ。
自分が平和と公正を望んでいるからといっても、他国もそうとは限らない。
油断は命とりになるのが、国際社会の冷たいルールなのだ。
自衛隊がないにこしたことはないけれど、そうもいかない現実がある。自分から好んでケンカをしかけるのは、愚かだ。こちらから手を出すことは絶対にないが、飛び来る火の粉は払わにゃならぬ。売られたケンカは買うぞ、というのを、専守防衛という。
こういう姿勢をとることで、相手も力づくの態度に出にくくなる。自衛戦争の準備が、戦争を未然にふせぐ作用をもたらすのだ。ピストルに素手で対抗することはできない。しかしせめて木刀でも持っていれば、ピストルを持っている相手だって、むやみにケンカはできないはず、という理屈なのだ。これを「抑止力」という。
憲法第9条と抑止力の存在は矛盾しない。しかし、だ。武力を持つということは、反面、大きな責任を負うことにつながる。明日はそのことを書いて、長かったこのシリーズを終わるつもりだ。