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TPPに参加すべき 83.3% 産能大調べ
財経新聞 2011年1月17日 12:00産業能率大学が中小企業経営者688人を対象に行った2011年経営方針と採用方針に関する調査で、83.3%の回答者が環太平洋経済連携協定(TPP)に「日本は参加すべき」と考えていることが分かった。
調査は従業員6人以上300人以下の企業経営者を対象に昨年11月26日から12月5日までの間で実施したもので、同大学が14日、調査結果を発表した。
それによると、4月に入社採用予定を有する企業は74%と採用意欲の高いことがわかった。また、経営に影響がありそうな要因では「国策の変化、需要の不足、国際情勢の変化」を上げた。
産業能率大学では「国の政策の変化がこの1年で最も経営に影響をあたえそう、としている回答が一番多い(45.9%)のは、政治の不安定さのためか」と分析している。
また、景気対策では法人税減税が最も重要度の高いものにあげられ、「消費刺激より法人税減税への期待感が強い」としていた。
このほか、TPPに参加すべきとする理由で最も多かったのは「国際競争力が高まるから」というもの(63.5%)や「日本が孤立してしまう」(35.3%)というもの、「日本の産業空洞化を防げる」(30.9%)というものが多かった。
一方、TPP参加に反対する理由では「農業の衰退」をあげるものが63.5%あった。
中小企業経営者688人を対象に行った調査結果って……めっちゃサンプルが偏ってるじゃん! 企業経営者なんだから、それは輸出拡大を望むだろうし、法人税が安いほうがよかろうし、なんなら人件費がタダになればもっと嬉しかろう。でも望んでいるからそれが正しいことにはならない。
そんなこと言う前に、次の見解を読んで考えてからでもいいと思う。
農文教の主張
TPPをめぐる俗論を反証する
http://www.ruralnet.or.jp/syutyo/2011/201102.htm
国内GDPに占める農業GDPは約1.5%。前原さんが「(GDP)1.5%を守るために98.5%を犠牲にして良いのか?」と俗耳に入りやすい説明をしたので、本気にした人がたくさんいるらしい。
でもそれを言うなら鉄鋼産業は農業より規模が小さくてGDPの0.607%しかない。輸出でかなり稼いでいるように思われている自動車を含む輸送機械だって2.47%しかない(次のデータを用いて計算した)。
日本の産業別実質GDPの推移(総務省)http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h21/data/html/l6400000.html
カネに換算すれば1.5%しかないが、日本農業は衰えたりといえどもカロリーベースで食料の半分をまかなっているのだ。食料の半分を生み出しているのにその程度のカネにしかならないってのが、土台おかしいと思う。そもそも食い物の値打ちをカネ勘定だけで計算するのがおかしい。
が、その話はいまはおいとく。いまは企業経営者の好きなゼニ勘定の土俵にのって、TPPが企業のためになるのかどうかを考えてみよう。
日本の輸出総額はGDPの17.5%。世界銀行の統計では、この比率は世界170国中で164番目なのだそうだ。世界標準からみたら、日本は全然輸出に頼っていない部類に入る。日本企業は国内市場だけで結構商売できているのだ。こんな国は世界でも日本だけなのだとか。
17.5%がTPPのおかげで20%になるかどうか知らないが、その反動で農林水産業がほとんど全滅したらどうなるのか。その分だけGDPが減少し、国内市場が小さくなり、企業売り上げが減ってしまうではないか。プラスマイナスしたら、少しぐらい輸出が増えたって割が合わないのが明らかだ。
TPPへの参加を要求しているのは、TPP参加によって、他人はいざ知らず自分は得をすると思っているからだろう。しかし、いま見たとおりそういう考えはとても底が浅い。自分さえよければ他人はどうなってもいいやと考え、繁栄の果実を社会全体で分かち合うことを拒む強欲な動機で世の中を見ているから、単純なことがらでさえ気づかないのだ。
しかも。
米国がTPPを執拗に求めるのは、日本の食料消費だけを狙っているからではない。まず交渉の議題となっているのが牛肉と保険であることで分かるように、本丸は金融なのだ。そう、あの悪名高き「対日要望書」の実現。これこそが米国のハゲタカの狙いなのだ。
自民党が唯々諾々と従い、今日の格差社会・長期不況の根元となった、あの路線なのだ。
それで自民党は国民の支持を失い沈没したのではないか。同じ轍を、どうして民主党が推進しているのか。やはり民主党は自民政治へ回帰しているのだろうか。やりきれないなあ。