生活保護の医療費自己負担は正しいか

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橋下徹の公務員たたきにしろ、ガレキ受入反対にしろ、なにせ世間は単純な理屈に流れがちだ。

「評判の悪い生活保護については、何か手をつけないと消費税増税への国民の理解が得られない」という理由で、非常に強引に生活保護受給者の医療費一部自己負担導入が決められようとしている。

自由民主党「わが党の政策ビジョンと平成24年度予算」p.5
平成24年2月24日

[生活保護]
経済の低迷により、受給者が急増している生活保護は、最後の安全網としての機能は確保しつつも、「手当より仕事」を基本に不正受給により厳格に対処するとともに、就労の一層の促進、現金給付から現物給付(住宅確保、食料回数券の活用等)への移行、医療扶助の適正化など必要な見直しを行い、少なくとも平成24年度政府予算案の約2兆8千億円を平成22年度当初予算の水準(2兆2,006億円)程度に抑制することなどにより、国費ベースで8,000億円を減額する。

覚醒剤代わりにする抗うつ剤の横流しでパチンコしている生活保護受給者の姿がテレビで流されるなど、たしかに生活保護には不正が存在している。これは解決しなければならない問題だ。

しかし実は医療扶助費の6割近くの約8000億円が、誤魔化しようのない入院費なのだ。その約25%の3000億円は、精神医療入院費である。精神障がい者を病院に閉じこめておけという変な政策を変えれば、生活保護の医療費はぐんと節約できるのだ。

日本だけ精神障がい者の入院措置がうなぎ上り 

地域医療を推進している帯広では入院施設が半分(諸外国はけた違いに少ない)。

誰かをたたくことで問題が解決すると思うのは幻の解決策だし、そういう風潮はとても危険だし、気が滅入る。人権と福祉を保証しつつ財政を健全に保つ途は、必ずあるのだ。

資料はこちらから。
労働者福祉中央協議会
http://chuo.rofuku.net/information/201203/13/siryo.pdf