在特会はこうして撃退する

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在特会の朝鮮学校襲撃にあたって、緊急110番で現場出動した警察官の対応が不十分であるとの批判がありますが、(そうとも言えますが)ある程度やむを得ないものであったとも言えると思います。

民暴事件の申告をする場合は、警察ならどこでも良いのではなく、最も適切な部署に対して行うことが重要である。

例えば派出所などでは、地理的に便宜であっても、在所のお巡りさんは、十八歳ぐらいの警察学校で半年基礎訓練を住ませたばかりの人であったり、落とし物や迷子の処理、道案内、交通整理などは得意でも、強面の人たちの扱いは苦手の年輩の人であったりする。

というのが専門家のアドバイスです。

在特会の手口が徐々に分かってきたのですから、今後は専門家を交えた事前の対策が求められるでしょう。民暴の手口とその対策について簡単にまとめますので、各地で集会などを計画なさる場合の参考にしてください。くわしくは、やはり弁護士に相談するのがよいですね。

『民暴撃退の実務-ポイントと仮処分当実例集』より抜粋
名古屋弁護士会・民事介入暴力対策特別委員会編
六法出版社
1990年刊

二 警察に対する援助要請について
1 基本原則
(一)民暴事件を解決するためには、直接・間接に警察の力によるバックアップも、時に不可欠である。
基本的には「民」(民事)の部分を弁護士が、「暴」(暴力)の部分を警察が、それぞれ分担しつつ協力するのであり、その意味に於いて、両者は「車の両輪」といわれるのである。
従って弁護士としては、必要な場面で警察の協力を求めることをためらってはならないし、遠慮する必要もない。
警察としても、かつてはともかくとして、現在では頭から民事不介入の原則を持ち出して協力を拒否すると言ったことはほとんどないはずである。

(二)警察に対する要請をすることは、客観的に事案解決に有益であることは当然であるが、特に依頼者が不安に陥っているとき、依頼者の不安を沈め、弁護士と依頼者間の信頼関係を維持強化することにも役立つ。(略)
依頼者の不安を鎮めるためには、右のことを十分説明しておくと共に、弁護士と警察と依頼者がスクラムを組めば、女子どもであれ老人であれ、ハリネズミになることは十分可能であることを理解させる必要がある。

(三)反面、弁護士としては、警察力に過度に依存したり、不当な目的で乱用したりすることを厳に自戒しなければならない。(略)
このバランスが少しでも崩れれば、弁護士が操作の下請け機関化したり、逆に警察が民事不当介入であるとの批判を浴びることになる。

2 事前防止の重要性

(一)(略)
被害者の人権を擁護するという観点からは、告訴・告発という、いわば事後処理では不十分であって、被害の事前防止こそが最も重要である。

(二)事前防止の観点からすれば、警察官職務執行法第五条の、犯罪防止のための「警告」又は「制止」を求めることになる。

外形的行為からすれば脅迫、暴行等の犯罪性が明らかであるとしても、民事事件が関係している以上、権利行使としては許容される限度を超えたかどうかは微妙である場合もあるから、とりあえずは、いきなり摘発、逮捕を求めるのではなく「予防」措置を求めるのであるが、通常はこれでも十分効果がある。

現在は、いわゆる行政指導の形を取って、実質的な警告が成されていることも多いが、本来は、警職法の要件を充足する場合に限って同法に根拠を有する措置であることを明確にして行われるべきであろう。

(三)事前防止という意味では、一般的には民事的な対応が先行すべきである。
民事上の手段としては、面談強要禁止などの不作為の仮処分が極めて有効である。
民暴側の民事上の権利の存否・内容、権利行使の態様などを総合的に裁判所が判断した結果であるから、警察としても、この裁判所の命令に違反していると言うことで容易に違法性や責任を判断することが出来る。
この仮処分命令は、民事と刑事の分水嶺を成す者であり、その違反は、すなわち刑事事件としての違法性・責任を有すると一応評価しても良いことになる。(略)

3 依頼者との同行と資料の提供
(略)

4 適「件」適「署」に
民暴事件の申告をする場合は、警察ならどこでも良いのではなく、最も適切な部署に対して行うことが重要である。
例えば派出所などでは、地理的に便宜であっても、在所のお巡りさんは、十八歳ぐらいの警察学校で半年基礎訓練を住ませたばかりの人であったり、落とし物や迷子の処理、道案内、交通整理などは得意でも、強面の人たちの扱いは苦手の年輩の人であったりする。
通常は、各警察の暴力係(刑事課の中の暴力専門係又は知能及び暴力係)か、あるいは本部の操作四課別室「暴力相談センター」が適切である。どちらに先に行くべきかはケースバイケースであるが、どちらかと言えば細かい、地域限度的な事件はとりあえず地域の警察に、大がかりで広域的な事件は本部と言ったところが大まかな目安となるであろう。

勿論緊急の場合には110番を呼ぶ他はないが、それでも各所の専門家に事情が通じてあれば、110番とその専門家とが連絡を取り合って対処することも可能である。

5 「民暴性」を具体的に申告
警察が民事がらみの暴力事犯について、積極的に介入することが合理的と考えられるのは、その民暴が常習的、組織的なものである場合に限られる。
(略)
この要件が欠けると警察としてはある程度慎重にならざるを得ないであろう。
従って弁護士としては、警察に要請する場合には、こうした民暴であることを示す徴表(人相・風体・態度・物腰・武器)を具体的明示的に申告すると共に、その資料を提出しなければならない。

6 事後報告について
(略)
事後報告を忘れてしまうと、次回は頼みにくくなってしまう。

以上