http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-December/002355.html
前田 朗です。
12月20日転載転送歓迎
集会報告です。
1)充実した報告会
最初に10分ほど京都朝鮮学校事件の映像を上映し、続いて京都朝鮮学校校長からの現地報告がありました(私は外にいたので、残念ながら聞くことができませんでした)。公園の利用に関して、在特会などの主張は事実に反することが明快に報告されたそうです。次に私が集会の経過報告と、ヘイトクライムとは何かについて少し話しました。さらに、金東鶴さんが、日本における朝鮮人差別、朝鮮 学校差別について、歴史的により広い文脈におきなおして報告がありました。会場発言も、コンパクトにまとめた、いいお話が続きました。最後に床井茂(人権セミナー実行委員長)が、日本人としてなさねばならないこととして、私たちの課題をまとめる発言をしました。(警備関連でばたばたして、出たり入ったりしていたため、私は他の方の発言をきちんと聞けませんでしたので、旨く報告できません。すみません)。
2)警察の警備
19日午前に麹町署に警備要請をしました。担当者は、「街宣情報があったので警備に行く予定でした。外の警備は警察がしっかりやります。建物の中は施設と集会主催者でやってください。開始前にきちんと打ち合わせをしましょう」。
午後3時頃にはすでに警察が出動し、警備体制が敷かれ始めました。4時半に警備責任者ら5人の方がいらして、簡単な打ち合わせを行いました。右翼を中に入れないようにするが、全部をおさえることはできないので、中に紛れ込む者もいるから、集会の趣旨に反して騒ぐものは自分たちで排除してください、とのことでした。会場前には制服・私服の多数の警察官が配置され、しっかりと警備してくれました。飯田橋駅寄りや九段寄りの路上に数台の警察装甲車が並んでいたそうです。
街宣終了時に、担当者がきて、終了したので警備体制を解くが、彼らが戻ってくる可能性がないとは言えない、個別に残っているメンバーもいるので、監視は続けるし、何かあれば即座に対応します、とのこと。
一言で言って、麹町署の警備は非常によく統制され、見事な体制でした。三鷹や京都のケースとは違って、麹町署は警備のプロとして、市民の安全を守るために 万全の仕事をしてくれたと思います。
3)しごとセンターの警備
19日、しごとセンターもきっちりと警備体制を敷いてくれました。午後1時半に要請にいったのですが、前日とはうってかわって、「注意事項・禁止事項」の大きな張り紙、職員はハンドマイクと腕章を用意、そして警備会社の警備員も5名に増員。西沢課長は「会館に出入りする人間の安全のために、できることは全部やります。体を張ってやるつもりです」。
実際、4時半頃から街宣終了まで、職員と警備員が玄関前や玄関ホールで整然と、毅然と、警備を行っていました。街宣終了後も、万が一、一部の右翼が残っているかもしれないので、私たちの集会が終了するまで残られ、私たちの退場まですべて確認。献身的なお仕事ぶりに頭が下がる思いでした。
4)私たちの警備
会場セミナー室前では私たち自身が警備体制を敷きました。施設側がしっかりしてくれたので、当初予想されたような混乱はなく、無事に済みました。とはいえ、実際には何人もの右翼が会館内に紛れ込んでいました。すでに午後2時には何人もが中に入っていました。午後2時からの西谷文和さんのイラク報告会の時点で、こちらの様子を探りに入れ替わり立ち代り出没していました。午後5時過ぎには、廊下やエレベータホール前に押し入ってきました。廊下で暴言を吐く者もいました。セミナー室に入ったものも2名いましたが、開会前に早期発見、退場していただきました。いずれも廊下をうろうろしながら妨害を画策していたようですが、何もできずに帰っていきました。
5)在特会
右翼は、会館玄関前に街宣車を乗りつけ、ワーワー騒いでいました。そこには約30名。事前に会館内に入り込んで妨害行為をもくろんでいたメンバーたちも含めると、おそらく全部で50名ほどが来ていたのではないかと思います。
抗議書を持ってきていると言うので、受け取ることにしました。警察が「受け取るそうだ。どうする」と伝えたところ、なぜか「じゃあ、渡さない」となったそうです。意味不明。結局、私宛の抗議書を見ることもできませんでした。
6)御礼
集会実現のために多くの方たちのご協力、ご支援をいただきました。万全の警備を敷いていただいた麹町署に感謝いたします。暴力集団の違法活動を監視し、市民の安全を守るために任務を的確にこなされました。
街宣行動の対象にされたのは初めてと困惑しながらも、右翼の脅迫や恫喝に耐えて、しっかりと警備体制を敷き、たんたんと職務をこなされたしごとセンター職員と警備の方たちに感謝します。
自主的な防衛の為にボランティアで駆けつけてくださった警備協力者の方たちに感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
休日の夜に、民族差別を許すな、朝鮮学校襲撃事件を許すなという思いを共有していただき、各地からおこしいただいた参加者の皆さんに感謝いたします。せっかく会場におこしいただいたのに、入場できずにお帰りいただくことになった皆さん、大変申し訳ありませんでした。
SOSメールを転送していただいた皆さん、精神的支援のメールを送っていただいた皆さん、排外主義に眉をひそめ朝鮮学校襲撃事件に批判の声をあげられている全国のみなさん、ご協力、ご支援、ありがとうございます。
7)これから
22日には、事件が起きた京都の市民の方たちによって集会が準備されています。大阪での取り組みも準備中です。
人種主義、人種差別、排外主義は、被害者に対しては異様に攻撃的な形で現象しますが、実は、人間の弱さの現われでもあります。他者を侮蔑し、貶め、辱めることによって、自分の優位を確認したがるメンタリティは、おそらく多くの人々の中に潜んでいるのかもしれません。在特会のような異常な犯罪集団による扇動が一定の効果を持つのもそのためでしょう。こうした「病」を放置しておくと、あっという間に社会に広がるかもしれません。人種差別の蔓延を防ぐために、適時に的確に声をあげていくことが大切です。
みなさん
今後ともよろしくおねがいいたします。ありがとうございました。