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本日は広島原爆の日。
6000万年前、恐竜が絶滅した。ユカタン半島沖に巨大隕石が落下したからだ。大爆発がおこり、全世界で森林火災が発生し、舞い上がったホコリやチリが太陽をさえぎった。計算では、2週間後に世界のどこであれ、気温が氷点下にまで低下したという。氷河期の到来だ。
恐竜には大ダメージだったろうが、絶滅した理由は、これだけではない。太陽がさえぎられると、光合成ができない。陸上では植物が死滅した。海洋では植物性プランクトンが死に絶えた。すると食物連鎖の順序どおり、動物も死んでゆくしかない。数万年の間、地球は死の星となった。証拠は圧倒的だ。
同じ現象が、核戦争で生じるという。
全面核戦争により、大規模な都市火災が全世界で同時発生する。舞い上がったチリが太陽光線をさえぎる。そして「核の冬」が訪れ、地球は死に絶える。人類がいくら文明を誇っても、食物なしに数万年を生きるのは無理だ。
このシミュレーションは、保守的な学者でさえ、今日では否定しない。恐竜という実例があるからだ。
1945年8月6日、アメリカの爆撃機エノラ・ゲイがウラニウム爆弾を投下した。パラシュートでゆっくり降下していったそれは、8時15分、原爆ドームの上空600mに達するや、一挙に炸裂した。人類史上はじめて核兵器が攻撃に使用された瞬間だった。この時から、人類は滅亡の恐怖の中で生きることを運命づけられた。
広島原爆に搭載していたウラニウムは50kgだったが、爆縮の同期が不十分だったので、実際に核分裂したのは1kg程度と計算されている。たったそれだけの核物質が地上600mで爆発した結果、広島は壊滅した。
いまは技術がはるかに進んでいるので、小型核でもその爆発力は飛躍的に増大している。被害は予想できないほどになるだろう。
脅威なのは全面核戦争だけではない。命中精度が低くて未熟な核ミサイルが、たった一発でも、高空で爆発すると、世界経済が大混乱する。コンピュータが破壊されるからだ。
核爆発は、強烈な電磁パルスを発生させる。これに地上の電子装置が耐えられないのだ。電磁パルス一発で、その下のIT文明は全滅する。飛行中の航空機は機器が働かなくなって、墜落する。一発で大国の経済中枢を破壊できるのだ。防ぐ方法はほとんどない。
小国でも、超大国を脅かすことができる兵器。それが核兵器だ。こんな究極の兵器が、拡散しつつある。
最もその脅威を受けているのはアメリカだ。現在のところ脅威を除く対抗手段はない。それゆえ、アメリカは次善の策として、先制核攻撃戦略を捨てられない。第一撃を受ければ致命的、しかもそれをふせぐ方法がないのなら、「攻撃のそぶりを見せただけで先に撃つぞ」と威嚇して牽制するしかないのだ。
恐怖におびえながら、狂気と狂気が向かいあっている、それが現代の平和だ。いつ崩れるかも知れない、危ういバランスのうえに、かろうじて我々の日常が成り立っている。
こんな恐怖から脱出するには、核の全廃しかない。核の廃絶と、国際機関による強力な査察の実現。核保有国にとっても、それが最も有効な核の安全保障だと思うのだが。